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口腔癌かな?と思ったら、スグに知っておきたい原因・対策・治療法

口腔癌は、日本においては年間七千人以上の人が罹患しています。口腔癌には、舌癌、頬粘膜癌、歯肉癌、口蓋癌、口底癌といった種類があり、他の癌と同様、高齢であるほど罹りやすいものです。おおよそ口の中を構成する全ての部分が癌に冒される可能性があるガンです。

他の先進国では、癌対策の結果として口腔癌による死亡者数は減少傾向を示していますが日本においてはいまだ増加傾向。口腔ガンを知って、予防と対策をシッカリと実践してください。

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まず、口の中にだって癌ができるということを理解してください。日本においては年間七千人以上の人が罹患しています。
他の癌と同様、高齢であるほど罹りやすいものです。

他の先進国では、癌対策の結果として口腔癌による死亡者数は減少傾向を示しています。
これは、国を挙げて対策を行っているために早期発見、早期治療が可能となっているからです。
なにより、口の中をよく見る可能性がある歯科医達に対して口腔癌についての教育を行っていることが理由となっています。

日本においても、全国民による理解が必要です。
存在することがわかれば、検診を広く普及できる上に検診システムが構築できるようになります。

現在、毎年のように検診が可能となっている癌の種類は多いですよね。
これは癌全体の傾向として、早期に発見すれば治療が可能であるためです。
あなたは癌の種類をいくつ挙げられますか。
それらはほとんどが、定期的に検診を受けられる種類のものであるはずです。

口腔癌の危険性は他の癌と同様のものです。
そうであるならば、誰もが存在を理解して検診を受けることにより、確実な治療を行い死亡率を下げることができるのです。

 

日本における口腔癌対策と治療

日本において、年間七千人以上の人が口腔癌に罹患しています。このまま目立った対策をとらないままでは、十年後には一万人以上が罹患すると予測されています。もちろん、この傾向はいいものではありません。では、日本ではどういった対策を取ればいいのでしょうか。

他の先進国を見てみましょう。罹患率はアメリカやヨーロッパの各国を調べてもあまり日本と変わりません。ですが、死亡率は日本と比べて減少傾向にあります。これはどういったところから来ているのでしょうか。

各種の癌について、よくないものが何かご存じですか。基本的には食事、体重の維持に運動、煙草を吸わないことが挙げられるでしょう。口腔癌も癌の一種である以上、同じことが言えます。

さらに、癌対策としては定期的な検診が有効です。早期発見、早期治療が必要な癌は、罹患してすぐに見つければ完治の確率が上がり、治療期間が短くてすみます。ある程度の年齢の人は、何かしらの癌検診を受けたことがあるのではないでしょうか。

先進国の多くでは、口腔癌の検診による早期発見と治療の結果で死亡率が減少しています。そうであるなら、日本でも検診を受けられる環境が必要となります。日本においても、口腔癌の検診は可能です。ですが、どこにいつ行けばいいのかご存じの人は少ないのではないでしょうか。地方自治体や歯科医師会などの主催により行われているにも関わらず、この現状があります。まずは、口腔癌についての知識を広く伝えることから始める必要があるのです。

口腔癌の怖ろしさと早期治療の重要性

口腔癌についての詳しい知識を持つ人は、まだ日本では多くありません。そもそも、現状においては存在すら知らない人が多いのです。ですが、その怖ろしさを理解すれば、正しい知識を得ようとする人も増えるのではないでしょうか。

まずは、想像してみてください。自分が口腔癌に罹患した場合、日々の生活でどのような不利益が発生すると思いますか。口というのは、食事や呼吸といった生命維持活動で常に使われている大事な器官です。会話だって口を使って行われています。日常生活において、非常に活躍する機会の多い部位なわけですね。口腔癌になると、これら全ての働きが大きく妨げられてしまうのです。

簡単に想像できるのは、虫歯の治療中の状態ですね。普段何気なく食べているものが、なかなか食べられなくて苦労した経験はありませんか。虫歯の進行度によっては何も食べたくない、飲み込むのも辛くなる人もいることでしょう。

口内炎もそうですね。できた場所によっては、話すだけでも痛くて耐えられないことがあります。食べ物は全て刺激物にしか感じられず、食欲がなくなる程の人もいるのです。口腔癌に罹患すると、これらの状況が延々と続いてしまうのです。すぐに治療の終わることが多い虫歯や口内炎と違って治療期間は長期に渡ります。一方、少しでも早く発見することで治療期間を短くすることができます。口腔癌の怖ろしさを理解した上で、予防や検診を心がけるようにしたいものです。

 

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口腔癌の早期治療のために必要な定期検診

口腔癌があまり知られていないのと同様、検診の内容もご存じの人は少ないのではないでしょうか。ここでは定期検診の内容を紹介していきます。

まずは、問診を行います。これまでの本人や家族の病歴確認ですね。他にも視診や触診により、医師は様々な情報を得ることができます。この時点である程度の診断が可能なのです。

ただし、口腔癌の初期は口内炎と区別がつきにくい場合があります。このときはすぐに治療を行うのではなく経過観察を行うこととなります。口腔癌が疑われる場合は、細胞診や生検を行います。細胞診は、綿棒を使い疑いのある部分を擦ります。生検は、メスなどを用いて組織の一部を切り取るのです。どちらも疑いのある細胞を実際に調べる検査を行います。

口腔癌が認められた場合は、さらにCTやMRI、PET-CTで詳しい検査を行います。リンパ節や肺、肝臓といった部位への転移を調べるためです。ここまで調べた結果から、治療計画を立てていきます。

特に問題がなければ、問診と視診、触診だけで検査は終わります。口内炎が治らない、食べ物が噛みにくい、なんとなく口の中が調子悪いなどの症状を感じたら医師に相談してみてください。

行きにくいのでしたら、歯科検診のついでとして検査を行う手もあります。歯科検診なら半年から一年に一度程度、定期的に行く人も多いのではないでしょうか。虫歯の予防に歯磨きの指導、歯石の除去と検診だけで終わらない大切な検査ですよね。この一部として口腔癌検査を加え、早期発見と早期治療に役立ててください。

自宅口腔癌チェックで早期治療を可能にする

口腔癌予防や早期発見のためには、かかりつけの歯科で定期検診を忘れないようにしましょう。口腔癌以外の虫歯や歯槽膿漏といった口内の異常についても早期治療ができます。

ですが、口の中は鏡を使えば自分で見られる場所です。胃癌などの他の癌と違って、直接調べることで少しでも発見を早められます。結果、初期の内に治療が可能になることもあるのです。

まずは、明るい場所で鏡を準備してください。口を大きく開けて、口内がちゃんと見えるのであればチェックの開始です。入れ歯をつけている人は、はずしてから行ってくださいね。

自己チェックは、一ヶ月に一回程度定期的に行うことにより、以前と違う様子の場所がないかを確認します。

  • 治りにくい傷、粘膜のただれはないでしょうか。
  • また赤や白の斑点ができていないでしょうか。
  • しこりや腫れ、できものは見あたりませんか。

まずは、上下の唇を裏返して、唇の内側に変化がないか確認します。ついでに、前歯の歯肉も全体的に見回します。

次は、頭を大きく後ろにそらします。上顎の中が見えた時点で頭を固定して、よく見てください。片頬を指で外側へ引っ張り、頬の内側を見ます。このときに、奥歯の歯肉もいっしょに確認しましょう。左右両方を見ることを忘れないでくださいね。

最後に舌を思いっきり前に出して、舌の表面を見ます。舌を上に持ち上げて、裏側のチェックもしましょう。気になる場所や症状があったら、なるだけ早く診察を受けてください。口腔癌の治療には早期発見がとても大切なことなのです。

口腔癌の種類と症状を知り治療に役立てる

口腔癌は、口腔を構成する口腔粘膜にできた癌の総称です。総称であるため、実際にはもっと細かな種類に分けることができます。それぞれの初期症状を知ることで、早期の発見と治療に役立てることができます。

舌癌は、名前の通り舌にできる癌です。口腔癌の中で最も多く、ほとんどの場合舌縁部や舌の裏側で発症します。舌の上面にできればすぐ発見できるところですが、ほとんどありません。粘膜の変色、塊や厚みがある部分ができたら気をつけましょう。

頬粘膜癌は、頬の内側の粘膜にできる癌です。覚えがないのに傷跡のようなものができたら要注意です。

歯肉癌は、歯の生えている部分の粘膜にできる癌です。歯周病の疑いがないのに歯がぐらぐらする、腫れてきたといった症状がでたら注意しましょう。歯科検診の際におかしいと思ったら、歯周病と口腔癌のどちらであれ治療が必要となるので詳しく診てもらうことをお勧めします。

口蓋癌は、口の上顎の部分にできる癌です。この部分も普通は食べ物で傷をつける以外に異変はそうそう発生しないはずの部位です。腫れた様子や覚えのない傷には注意してください。

口底癌は、下あごの歯茎の内側から舌の間の部分にできる癌です。意識すればチェックしやすいのですが、普段そうそう鏡で見る場所ではありません。アルコールが原因となりやすいと言われている部分です。

口の中は、歯や食べ物が原因で傷をつけることがよくある部位です。また、異常があっても口内炎や歯周病と勘違いする可能性もあります。覚えがない傷、なかなか治療の効果が出ない口内炎といった心当たりがあれば念のため検診を受けてみましょう。

 

現在における口腔癌の治療法

口腔癌の治療法にはどういったものがあるのでしょうか。最初に思いつくのは手術でしょうが、それだけではありません。治療法については、医師まかせにするだけではなく患者側からも知っておくとよいでしょう。特に早期の口腔癌では、外科手術のみで治療することが可能となります。ですが、癌が進行すると放射線療法や抗がん剤を併用するようです。

首のリンパ節に癌が転移した場合は、頸部郭清術を行います。口という重要な器官に影響を及ぼすため、手術により組織欠損した部分に体の他の部分の組織を移植することがあります。

大きめの癌や進行した癌に対しては、化学療法として抗がん剤を使用します。手術前に癌を縮小させる狙いで口腔の機能温存を図ります。癌がリンパ液に乗って転移する最初の部分は限られています。これを利用して、まず転移可能性があるリンパ節だけを調べるセンチネルリンパ節生検という方法が行われています。

放射線療法は、放射線を病巣に照射して癌を小さくする、または死滅させる方法です。癌が小さい場合には死滅させることも可能ですが、進行した場合は手術や化学療法との併用となります。

抗がん剤は、副作用の辛さがよく知られています。ですが、副作用と抑える薬も年々進歩しているため、以前に比べれば副作用の苦しみは緩和しているのです。最近の治療法としては、分子標的治療薬が存在します。これは、正常細胞には影響させずに口腔癌細胞だけを狙って効果を及ぼす薬です。

口腔癌の外科手術治療

口腔癌の治療は、外科手術を中心において行われます。これに放射線療法や薬物療法などを組み合わせた治療を行うことが多いのです。癌は病巣だけでなく周囲の組織まで入り込んでいます。このため、口腔癌の手術の際は安全域と呼ばれる癌組織の周囲にある正常組織もある程度含めて切除します。

首のリンパ節まで癌が転移していた場合、もしくは転移が疑われる場合には頸部郭清術を行います。リンパ節に転移した癌細胞は、さらに周囲の組織や他のリンパ節に転移しようとします。このため、転移先のリンパ節だけを摘出するだけではすみません。他のリンパ節やその周囲の脂肪、筋肉、神経といった組織まで同時に切除します。

口腔癌の手術部位は常在菌の存在する口腔内であるため、手術前から合併症のリスクを軽減するために口腔ケアが行われます。手術部位の清潔を保つこと、そのことの大切さを患者へ意識づけることが重視されます。手術後にも、創部の感染や誤嚥性肺炎といった合併症のリスク軽減と口腔内刺激による感覚の賦活のために口腔ケアを行います。

口腔癌の手術前には、患者に対して術後にどういう状態になるのかの説明が行われます。手術を終えて初めて自分の状況を理解するより、手術前からリハビリテーションの準備を行うことができます。精神的なケアのためにも、手術前に治療内容と術後状態を理解しておくことが大切なのです。組織欠損が生じた部分には、体の他の部分の組織を移植して欠損を補填します。主に腕や腹部、胸部の皮膚および筋肉、腰や足の骨を使います。

口腔癌の放射線治療と副作用

癌細胞は放射線を照射することにより、正常細胞より損傷を受けやすいという性質を持ちます。この性質を利用して放射線治療を行うのです。ただし、正常な細胞も放射線照射の影響を免れることができないことを忘れてはいけません。
口腔癌における放射線治療にはいくつかの種類があります。根治療法、術前療法、術後療法、緩和的・姑息的療法です。根治療法は、癌を完全になくすために行われる放射線療法です。
外から比較的広い範囲に照射する外部照射と、他に転移してない場合に限られる小線源治療があります。術前療法は、口腔癌の外科手術前に癌細胞へダメージを与える、癌をできるだけ小さくするという効果を狙います。
術後療法は、手術で癌細胞を切除しきれなかった可能性がある場合に再発の可能性を低くする目的で行います。緩和的・姑息的療法は、口腔癌の転移による痛みや神経症状、病巣による気管、血管、神経などの圧迫による症状などを除去する目的で行います。
最近では化学療法との併用で根治性を期待する場合もあります。急性期の副作用として、皮膚炎や粘膜園、口腔内乾燥や味覚低下といった障害が発生する可能性があります。しかしこれらは、時間の経過により必ず治ります。
重篤な晩期の副作用はごく稀にしか現われませんが、一度起こると治りにくいとされています。
皮膚の萎縮や硬化、毛細血管の拡張、唾液の分泌低下、骨髄炎といった可能性があります。
放射線性骨壊死の可能性は現在かなり低くすることが可能ですが、十分な注意が必要です。

口腔癌治療におけるリハビリテーション

口腔癌の外科手術治療では、根治的な手術を行うと共に口の形態や機能をなるだけ残す工夫が取り入れられています。ですが、口は飲食やしゃべるといった複雑な機能を行う部分です。切除部位へ他の組織を移植したとしても、摂食・嚥下障害が発生することがあります。食べたものが食道ではなく肺に入る危険性もあります。

このため、口腔癌の外科手術後には治療の一環としてリハビリテーションを行います。リハビリテーションの内容は、食事や飲み込みに関することが多くなります。食事は生きていくために必須であるため、切実なものです。機能訓練だけでなく介助法や知覚を高める訓練も行います。

発音・発語機能に関するリハビリテーションも必要となります。口腔癌においては発音機能の障害はほぼありませんが、発語機能は障害が見受けられることがあります。まずは入れ歯や顎の欠損を補う装置などを含めて、口の中の環境を整えます。その上で、舌や頬の運動を含めた発語機能のリハビリテーションを行うのです。

口腔内のケアもリハビリテーションの一部です。合併症のリスク軽減と口腔内刺激による感覚の賦活のためにケアを行います。手術が終わったら治療が終了するわけではありません。リハビリテーション開始より半年から一年かければ、舌の動く部分を切除した場合でも発音や食事の改善度は手術前の八割程度まで戻すことができます。

舌根を含む切除の場合は、食事の改善度は五割未満、発音はマウスピースを利用して六割程度です。リハビリテーションでもっとも大切なのは、根気よく続けることです。

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