尿路結石の原因・対処・予防法を知って再発時の激痛を回避しよう

尿路結石の原因・対処・予防法を知って再発時の激痛を回避しよう

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尿路結石はかなりの激痛。

突然お腹に酷い痛みを覚えて病院に運ばれるくらいです。この尿路結石とはどういった病気なのか、そしてその治療、再発防止にはどんなことが必要かをお伝えします。

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尿路結石とは

尿の通り道である腎杯、腎盂、尿管、膀胱、尿道の総称として尿路と呼びます。この部分に出来た結石のことを尿路結石と呼びます。自覚症状が出る人は三十代から六十代にかけてよく見られ、その多くは男性です。

尿路結石の種類

石ができる部位により、

  • 上部尿路結石
  • 下部尿路結石

の二種類に分けられます。

上部尿路は腎杯、腎盂、尿管を指します。残りの膀胱、尿道が下部尿路です。尿路結石となる大半の人が上部尿路にできているようです。結石の素材は、尿の中に溶け込んでいるカルシウムやシュウ酸、リン酸などです。これらの物質が結晶となり、さらに周囲の物質を巻き込んで石のように固まってしまうのです。

幸いにして、自覚症状が出た人の半数以上が自然排石が可能です。昔と違って外科手術で結石を取り除くことはほぼありません。結石の破砕術や砕石術の進歩により、長期の入院をする必要や患者の体への負担は減っています。

気をつけたいのは、再発率の高さです。

ですから、一度発症した人は生活の改善や予防をしなければなりません。医師の指示に従わない場合、結石の痛みを何度も味わう可能性があるからです。

残念ながら、近年増加傾向にある病気のひとつです。日本人の約十人に一人は結石にかかるという報告すらあります。原因や予防方法を知り、この病気を避けていきたいものですね。

尿路結石の原因には何があるのでしょう

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結石の原因には何があるのでしょうか?

尿路結石は痛みが強く再発率も高い嫌な病気です。避けられるものであれば、みなさん避けて通りたいでしょう。では、どういった原因により尿路結石になるのでしょうか。

残念ながら、尿路結石の多くは原因不明なのです。現在のところ、体質的に元々なりやすい人が結石しやすい生活を送ることにより罹患してしまうと考えられています。遺伝的な体質を変えることは無理なので、対処は食事内容の見直しとなります。

 

食事で気をつけるべきこと

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アルコールは大敵。結石予防に食事の習慣はとても大切

尿路結石の原因となる食事要因はいくつか挙げられます。食塩や砂糖の過剰摂取、動物性たんぱく質や脂肪の過剰摂取、シュウ酸やビタミンCの過剰摂取が食事内容的なものです。さらに、水分摂取量の不足も見直す必要があります。

偏食や過食を避けてバランスのいい食事を取るのが一番なのです。現代日本人の食生活の多くは、これを守れていません。たとえ結石しやすい体質でも、食生活で避けることができます。おまけに肥満も避けられていいこと尽くしだと思いませんか。

食事の時間

食事時間的なものとしては、就寝直前の食事がよくないようです。結石は夜作られると言います。帰宅が遅くなるときは、外で食べてから帰ることも視野に入れるといいのではないでしょうか。

水分の摂取

水分摂取は、水や麦茶、ほうじ茶がよいと言われています。水分を取るからといって糖類が多く含まれている飲み物の過剰摂取は避けましょう。また、アルコールを水分代わりとして考えるのはやめてください。逆に結石を促進してしまう作用すらあるのです。

尿路結石に特有の自覚症状

尿路結石は、何より痛みが自覚症状としてあります。一度痛みを味わった人は、のたうちまわる、失神するような痛みだったと語る程です。病院の外来で順番待ちをしていたら、あまりに酷い様子なので看護師さんを呼ばれたという人もいます。結石の痛みで、生まれて初めて救急車を呼んだ人もいるようですね。

結石が腎臓に生じた場合、腎臓にある間は日常生活に支障の出るほどの痛みとはならないようです。時々鈍い痛みを覚える人もいるので、疑いがあれば早めに病院へ行きましょう。

結石が尿道に入り込むと、激烈な痛みが発生します。

再発率が高いために、一度発症した人は鎮痛剤を持ち歩くように注意されるほどです。一般に販売されている程度の鎮痛剤では、よくて痛みを和らげる程度しか効きません。運がよい人であれば、会社などの定期検診で結石が見つかり、痛みを伴う前に処置を行うことができます。見つかった結石が小さいものであっても、育ってしまうととんでもない激痛に悩まされることになります。発見されたら、すぐに病院に行くことをお勧めします。

ただし、尿路結石でも痛みがなく自然に排出されることもあります。尿路結石の痛みは、あくまで結石が尿路の途中でひっかかった際の痛みです。運がよかったということになりますが、その後は食生活に気をつけましょう。また、痛みがなくても尿検査で血尿が見られた場合は病院で検査を受けてください。尿路結石でなかったとしても、他のやっかいな病気の可能性があるのです。

尿路結石の主な成分説明

尿路結石は、これを形作る成分によって様々な色や形があります。結石の大きさや種類によって治療法は異なります。また、成分によって再発を防ぐために注意する内容が変わるので、理解しておくといいでしょう。

尿路結石の成分

シュウ酸カルシウム結石

まず、尿路結石で最も多いのはシュウ酸カルシウム結石です。金平糖のような表面がギザギザとした塊であるために、小さくても尿管にひっかかりやすく排出されにくいのが特徴です。さらに、この形のために激痛が発生します。シュウ酸による結石は、カルシウムを摂取することで避けることができます。骨粗髭症の防止にもつながるので、カルシウムは毎日しっかり摂取しましょう。

リン酸カルシウム結石

リン酸カルシウム結石は、尿がアルカリ性になったときに出来やすいと言われているものです。シュウ酸カルシウムと共存していることが多いようです。

リン酸マグネシウムアンモニウム結石

リン酸マグネシウムアンモニウム結石は、尿路に細菌が繁殖する尿路感染が原因で発生します。一度結石ができると、石が細菌を増やすために石が大きくなるという悪循環が発生します。尿道の短い女性に多い尿路結石の成分です。

尿酸結石

尿酸結石は、痛風や高尿酸尿症の人にできやすい結石です。尿が酸性になったときに出来やすいため、アルカリ性にすることで改善が可能なものです。

シスチン結石

シスチン結石は、遺伝的な異常が原因で発生するものです。硬いために体外衝撃波などで破砕しにくいのが特徴です。こちらも尿酸結石と同様、尿をアルカリ性にすることで溶かすことができます。

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尿路結石を判断するための検査方法

尿路結石に対して、いったいどういった検査を行うのでしょうか。痛みや血尿といった理由で尿路結石の疑いがある場合、尿検査、超音波検査、レントゲン検査を行います。
判断がつかない場合は、CTなどの他の検査を併用することもあります。

尿検査

まず行われる検査は、尿検査です。結石があると、尿を顕微鏡で見た場合に様々な結晶成分を確認できるのです。尿検査は普通の健康診断でも行われますが、普通は尿の成分を調べるだけで石の有無までは確認しません。

超音波検査

腎臓に結石がある場合には、超音波検査でよくわかります。腎臓を観察すると、腎盂や腎杯の位置にきらきらと白く見えるものや陰影として結石が写ります。腎臓には結石がない場合でも、腎臓が腫れていて痛みがある、尿検査で血尿が出る場合は尿路結石だと推測ができます。超音波検査は尿路結石において最も手軽な上に信頼性が高いのです。

レントゲン検査

尿路結石の中で最も多いシュウ酸カルシウム結石は、レントゲン写真に写ります。このため、レントゲン検査を行えばシュウ酸カルシウム結石に関して言えば詳しい場所や大きさの手がかりになります。ただし、尿酸結石やシスチン結石はX線を透過してしまうため写りません。多いとはいえ、あくまでシュウ酸カルシウム結石にのみ有効なのです。

上記の検査だけでは判断がつかない場合は、CT検査や逆行性腎盂造影を行うこともあります。他の検査では診断がつかないような小さな結石を見つけることができる、該当臓器の他の病気の検査ができるといった利点があります。

尿路結石の保存療法と侵略的療法

治療法の種類

尿路結石の治療法には、大きく分けて二種類の方法があります。保存療法と侵略的療法です。結石の場所や大きさ、成分によって使い分けられます。

尿路結石の保存療法

尿路結石の保存療法とは、尿道から自然に結石を排出させることを目的とします。まず水分を多量に摂取して尿管の蠕動を活発にさせます。このことにより、結石が尿路を下降していき、最終的に排出されればいいのです。自然排出は、結石が一定以下の場合に有効です。

水分の多量摂取だけではありません。尿が酸性であることにより発生する尿酸結石やシスチン結石の場合は、尿をアルカリ性に変える薬を投与します。結石を溶かして小さくすることにより、排出しやすく、場合によってはそのまま溶けてしまうことを目指します。

尿路結石の侵略的療法

結石が大きく育っている場合は、自然排出は難しくなります。こういったときには侵略的療法を行います。尿の流れが阻害されて水腎症の恐れがある、激しい痛みがある、他の病気を併発している場合にも行われます。

侵略的療法の現在の主流は、体外衝撃波結石破砕術です。これは、体外で発生させた衝撃波のエネルギーで結石を砕く方法となります。衝撃波通過時に腎組織が損傷を受けますが、なんといっても手軽です。細かくなった石は尿道から排出されます。

体外衝撃波結石破砕術で砕けないほど硬い、または大きな尿路結石に対しては、内視鏡治療を行います。他の方法と比べて患者の体に負担がかかりますが、それでも昔の開腹手術に比べれば楽なものです。

尿路結石の療法による入院期間

尿路結石の痛みで病院に運び込まれた場合、入院期間がどれだけになるのでしょうか。なにしろ急に痛みが発生することが多い病気です。初めての発症では、病院に運び込まれて検査を受けるまで尿路結石と気づかない場合もあります。仕事や家族のことが気になる人も多いでしょう。

尿路結石の痛みが落ち着いて検査を受けるまでは退院はありません。病院を出ても、またすぐに痛みが出て逆戻りでは意味がないのです。

保存療法の場合

保存療法で結石を排出ことが決定した場合、最初の痛みが落ち着いて検査が終われば退院が可能です。その後は医師と相談しながら、通院による治療となります
鎮痛剤を処方されますが、耐えられない痛みの場合にはすぐに病院へ行くよう指示されます。

侵略的療法の場合

侵略的療法を用いる場合は、処置によって入院期間が変わります。例えば体外衝撃波結石破砕術は、腎臓に負担がかかり発熱を伴う場合があるので、術後落ち着くまでは入院が必要となります。内視鏡治療は、一週間程度の入院がかかる場合もあります。いずれにせよ尿路結石の大きさ、位置、壊れやすさなどによって入院期間は変わります。術後の容体によっても変化するため、医師に確認した期間もあくまで目安と理解してください。

他の病気を併発している場合は話が変わります。結石だけでなく併発した病気のことも含めて、治療指針を医師と話し合う必要があるからです。どういった治療をするか、どちらから治療していくかなど納得できるまで相談しましょう。

尿路結石の鎮痛剤に始まる薬物療法

尿路結石の治療に使う薬には、まずなにより鎮痛剤が挙げられます。尿路結石による激痛は、市販の鎮痛剤では効き目がないことが多いのです。強い作用を持つ坐薬に注射、どうしても効かない場合は麻酔薬を用いることもあります。それほどまでに痛みが強く耐えられないものだと認識しておきましょう。

一度尿路結石の痛みを理解した人は、二度となりたくないと思うのではないでしょうか。医師の指示に従い、薬を飲むだけでなく食事などの注意事項をしっかり守ることが大切です。尿路結石を出した後は、今後の結石予防や結石が小さい内に排出するための薬があります。これらを食事療法と合わせることで、結石を防ぎ、できた場合にも小さいままの自然排出を狙うのです。結石の発育を抑制する作用とできた結石の溶解作用だけでなく、抗炎症作用や利尿作用があるものが使用されます。

尿が酸性になっているため発生した結石に対しては、アルカリ性にするための薬や尿酸値を下げる薬を用います。鎮痙薬として、尿路を広げて結石を排出しやすくして痛みを和らげる抗コリン薬や骨格筋や平滑筋の痙攣痛を和らげる薬を使う場合もあります。シスチン結晶ができていた場合は、シスチンの結晶化を防ぐ効果をもつ薬や利尿剤を用いて阻害します。感染症による結石の場合は、原因菌に感受性の高い抗菌薬を使用されます。

さらに、患者が普段使用している内服薬にも気をつける必要があります。病気には効果的でも、副作用として尿路結石を形成しやすくなるものがあるのです。

尿路結石の高い再発危険性

尿路結石は非常に再発しやすい病気です。約半数の人が、一度治療しても五年以内に再発してしまうと言われています。一度でも尿路結石ができた人は、結石が無事排出された後でも安心はできません。結石再発を避ける手段を考える必要があるのです。

まず、結石の排出後も医師の指示がある間は内服薬を飲みましょう。患者に出来ていた結石の種類に合わせて、結石が出来にくくなる、出来ても排出されやすくする薬が処方されます。これだけでも、ある程度の効果は期待できるのです。

生活習慣を改善するためのアドバイスを、医師から受けることがあります。患者それぞれの結石に合わせたアドバイスですので、必ず守るようにしましょう。守りにくい内容でしたら、こっそり破るのではなく医師に相談すれば次善策が得られるかもしれません。

水分をよく取るようにとの注意は必ずなされます。尿路結石は、一日の尿量が二リットル以上だと出来にくいことがわかっているためです。そのためには、二リットル以上の水分を摂取する必要があります。真夏以外には意識的に飲まないと達成できる量ではないので、気をつけましょう。

また、再発したときのことを考えて年一回以上は定期検診を受けることが大切です。痛みがなくても、既に石が体の中に出来ている可能性はあります。尿路結石は酷い痛みが生じる前、小さい内に排出できればたいした問題ではありません。検診による早期発見、早期対処で痛みを防ぎましょう。

尿路結石を予防するための食生活

尿路結石の再発防止のため、医師に食生活の指導を受けた人は少なくないでしょう。これまで尿路結石を発症したことない人も、食生活に気をつけることで予防が可能です。まずは、食生活を見直すことから始めましょう。

ビールをたくさん飲んで石を流せばいいと言われていた頃もあります。ですが、アルコールを摂取すると尿酸が増える上にシュウ酸を摂取するので尿路結石はむしろ出来やすくなります脱水を招きやすいため、尿が濃くなるのでこの見地からもアルコールは危険です。

水分は、水や麦茶、ほうじ茶がお勧めです。緑茶や紅茶はシュウ酸を含むため、あまりよくありません。紅茶を飲む場合はミルクティにするとよいでしょう。食事のときに取る水分も牛乳にして、シュウ酸カルシウム結石の予防となるカルシウムを積極的に摂取しましょう。脂肪を多く含む食品を摂取すると、吸収されなかった脂肪酸が腸内でカルシウムと結合して、本来シュウ酸と結合するはずのカルシウムが不足してしまいます。結石の元となるシュウ酸が遊離してしまうので、非常によくない状況となるのです。

塩分や砂糖も控えめにしましょう。この二つは尿中のカルシウム濃度を上げる結果を招きます。水分補給のためとはいえ清涼飲料水を飲むと、多くの糖分を摂取してしまうので要注意です。カルシウム、クエン酸、食物繊維は結石を防ぐ働きを持ちます。これらを豊富に含む食べ物を意識して、バランスのよい食事を取ることが大切なのです。

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