日本人で腰痛持ちは多い。4人に1人は腰痛持ちといわれている。日本人の健康の悩みの男性の1位は腰痛。2位は肩こり。女性も1位は肩こりだが、2位には腰痛がある。日本人の国民病とも言える腰痛だが、一般にはそのメカニズムや治し方は知られていない。腰痛治療20年以上の腰痛治療家が腰痛を解消するために必要なセルフケアや考え方を誰でもわかる実践できるカタチで解説していきます。
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腰痛の原因
腰痛の原因は筋肉の硬さ。筋肉が硬くなると筋肉の中を走っている血管や神経を圧迫してしまう。それが痛みにつながっている。
これが真実だが、ヘルニアがどうだとか坐骨神経がどうだとか、医者に言われたことを鵜呑みにしてしまうために腰痛患者はもう治らないんじゃないかと迷ってしまう。
正しい、アプローチさえすれば外傷(重度の骨折)などを除いては日常問題のないレベルには誰でもなります。安心してください。そして、セルフケアで自分の腰痛をコントロールして長期的に健康な生活を手に入れて下さい。
腰痛の硬さを引き起こす原因は3つ
骨格の歪みが筋肉を硬くする
筋肉は骨についています。関節をまたいで、骨と骨をつないで筋肉の運動により関節の曲げ伸ばしをします。逆に、筋肉がついている骨の位置がずれれば、筋肉は余計に引き伸ばされてしまいます。写真は腰の筋肉(脊柱起立筋=せきちゅうきりつきん)ですが、これは背骨から骨盤につながっていて腰を支えている筋肉です。骨盤が矢印のように左にずれたとすると、骨盤にくっついている脊柱起立筋は当然引っ張られて緊張は強くなります。
これが腰のハリ(筋肉の緊張)
腰の筋肉が固いからと筋肉だけもんでも、この矢印のようにずれた骨盤の位置が戻らない限り引き連れは残ったまま。
骨盤を戻さない限り永久に腰の筋肉は引っ張られたままということです。だから、腰が痛いからといってマッサージだけ受けていても良くならない。と言う方が多いわけです。これが、全身で起こっているのでそれを細かく見ていかないと部分治療では改善が難しいといわれるのはこのためです。
単純な筋肉の疲労で筋肉が硬くなっているのでなければ、歪みから整えていくことが望ましいです。
冷えが筋肉を硬くする
筋肉の中を血管は通っています。血液は液体です。脂(コレステロールなど)も含んでいます。脂は、冷えれば硬くなります。血中の脂も同じで冷えることで血液がドロっとなります。流れが悪くなった血液は筋肉やその他の細胞の栄養である酸素を送らなくなりますから筋肉も硬くなります。
わかりやすい例で言うと、寒い日に薄着で外にでるとカラダの柔軟性は低下します。関節も動かしにくいですよね?ゆっくりと温泉に入ったあとは、カラダ(筋肉)も柔らかくなり柔軟体操をしても柔らかくなったことを本人も気付くと思います。
体温が上がり血液の温度も高くなり柔らかくなっているということです。
環境が筋肉を硬くする
歪みや冷えが筋肉を硬くすることはお分かりいただけたと思います。その他にも環境も影響しています。冷える環境はもちろん、同じ姿勢を長時間している持続的な緊張も筋肉を硬くします。ストレス(精神的、身体的)もカラダを歪ませて筋肉を硬くします。睡眠不足、食品添加物や空気中や水に含まれる有害物質の摂取もそれを解毒するために内臓が疲労することでカラダを歪ませて筋肉を硬くします。
腰痛の治し方 / 環境を整える
私達は、知らず知らずのうちにカラダを歪ませて不調を起こしてしまっています。カラダを歪む要素を理解していればそれを避けることが出来ますし健康を増進することが可能になります。
腰痛の原因の筋肉の硬さを取るためにやるべきこと
体を歪ませる要素
- 足を組む
- 片足に体重を乗せて立つ
- 睡眠不足
- 体を冷やす
- 柔らかすぎる布団(ベッドで寝る)
- パソコン作業などで同じ姿勢を長時間続けている
- 住宅や家具などの防腐剤、ホルムアルデヒドなどの有害物質の中での生活
- タバコをすう
- 農薬のかかったものをたべている
- 添加物の多い加工食品を食べている
これらがカラダを歪ませる要素です。知らず知らずのうちにやってしまっている動作などあるのではないでしょうか?
気をつけてみて下さい。
腰痛を解消して健康を維持するために気をつけて行うべき12のこと
- 手ぶらで毎日よく歩く
- 毎日よく汗をかく
- 夜更かしをしない
- 睡眠を十分にとる
- 体を冷やさない
- 突然激しい運動をしない
- 指先をよく動かす
- パソコン作業などで同じ姿勢を長時間続けない
- 住宅や家具などの防腐剤、ホルムアルデヒドを除去する
- タバコを吸わない
- 農薬のかかったものをできるだけ食べない
- 添加物の多い加工食品を食べない
これらのカラダを歪ませる要素を排除する意識で生活してください。
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腰痛を引き起こす主な内臓の病気
運動器(筋肉関節靭帯)の問題で起こっている腰痛だけではなく、病的なものが原因で起こる腰痛もあります。それらは、セルフケアなどでは改善する腰痛ではありません。すぐに病院での処置が必要になります。運動器の問題での腰痛なのか、病的モノなのか?この見極めをカンタンにする方法をお教えします。
運動器が原因による腰痛の特徴
- カラダ(筋肉に力を入れる、関節を動かす)を動かしたときに痛みが出る
- 安静にしていれば痛みは出ない
病気が原因の腰痛の特徴
- 動かずにじっとしていても痛い(自発痛=じはつつう)
- 夜寝ているときに痛みが悪化する(夜間痛=やかんつう)
シンプルにこの痛みの出方で判断することができます。
病気が原因で腰痛が起こる場合、どんな病気の可能性があるのかをまとめてみました。
泌尿器科の病気
尿路結石、腎盂腎炎、腎周囲炎、水腎症、腎梗塞、単純性腎嚢胞、腎静脈血栓症、腎下垂
消化器の病気
胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃がん、胃下垂、肝硬変、肝臓がん、膵炎、膵臓がん、胆嚢炎、胆石症、大腸がん
血液の病気
腹部大動脈瘤
婦人科の病気
子宮内膜症、子宮筋腫・子宮ポリープ、子宮がん、子宮頸管炎、月経痛(月経困難症・月経前症候群)、月経不順、更年期障害
脊髄の病気
化膿性脊椎炎、脊椎カリエス、脊髄腫瘍・脊椎腫瘍
腰痛の治し方 歪みを取る
腰痛の原因のゆがみを治す1 骨盤のねじれを取る
- 仰向けに寝る
- 膝を立てる
- 膝を左右に倒し倒しやすさを確認する
- 倒しにくいほうに膝を倒す(ストレッチ)20秒。この際倒す側の足を反対側の膝に引っ掛ける
- 膝を戻して左右の倒しやすさを確認
- どちらも差が無くなれば捻れは調整されました。差がなくなるまでやりましょう
Step1 | Step2 | Step3 | Step4 |
このエクササイズをすることで、腰の捻れがまっすぐに整います。腰のねじれを取ることで、実は腰だけでなく肩こり、首の動き、腕の上げ下げも楽になります。骨格が正しい位置にあれば、筋肉の緊張や原因がハッキリしないような不調は殆ど取れてしまいます。骨盤、股関節を良く動かして整えて少しでもカラダを楽にしてください。
腰痛の原因のゆがみを治す3 股関節を調整する
骨盤の歪みを戻し、腰のハリを取り脚の血流を改善するSTEP
- 仰向けに寝る。
- 右膝を引き上げる
- 右膝を開く
- 右足を伸ばしかかとをくっつける
- 左足で同じ動きを繰り返す
Step1 | Step2 | Step3 | Step4 |
このエクササイズをするだけで股関節を調整し骨盤のバランスを整えます。腰部臀部の緊張股関節の重たい違和感を取ることができます。
腰痛の治し方!腰痛を治すために特にストレッチするべき筋肉
腰に負担を掛けるのは骨盤の動きの悪さ。
骨盤がスムーズに動いていれば腰の負担は減る。
特に前後の回転運動(前屈後屈)、例えば、前屈をする際には腰は実はそれほどまがっていない。
腰は曲がらないものです。しかし、ここを知らずに(勘違いして)腰を曲げよう曲げようとすると腰を良くしたくて行った目的の腰のストレッチで腰を痛めてしまうという事になります。結構そういう患者さんがうちにも来ます。
腰の動く角度は前屈で 50度程度。これは解剖学上の稼動範囲なので、マックスでこの可動域。腰の筋肉が固い片なら45度もいかず、30度以下も十分ありえる。それほど動かない腰椎ですが、腰の悪い方は前屈のストレッチをして腰を伸ばして柔らかくしようとしてしまいがち。だから腰を痛めてしまいます。
腰を曲げるのではなく、ももの裏側(ハムストリングス)が伸びて骨盤が前に倒れこんで上半身が前屈する。
こういうイメージを持って前屈のストレッチを行ってください。腰の筋肉(脊柱起立筋)自体を伸ばすのは、横に倒して右側左側をそれぞれ片方ずつ伸ばすのが危険がないストレッチの仕方でお勧めです。
筋肉を硬くする要素をなくす。
- 食事の量を減らす=内臓の負担を減らす。体重をよけいに増やさない。
- 体を冷やさない=血のめぐりを良くする。
- 夜は、22時までに寝る=回復力を上げる
- 気を使う人、場所、物に近づかない=余計なストレスを減らす
まとめ
難しいと思われがちな腰痛の治療も、腰痛のメカニズムと正しい対処法をわかっていれば誰でもカンタンに自分の腰痛を調整することができる様になります。
逆に、どんなにいい治療を受けたとしても腰痛の理解と自分でのセルフケアがわかっていないと良い治療効果も長持ちしないばかりかいつも再発してしまうことになります。ここでご紹介した記事は、腰痛治療家として20年以上腰痛改善に携わってきた現場での経験を基にしたものです。シッカリと結果のでているものですので安心してまねて腰痛か全にご利用ください。
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