腰痛を改善したいなら、新しい運動(スポーツ)は始めないほうがいいという理由をお伝えします。
私のところに来る患者さんがよく言っています。
- 「ちょっと運動不足なんですよね?」
- 「お医者さんに運動不足だから運動しなさいといわれたんですよ」
- 「腰痛にはどんな運動がいいんですか?」
こんなことをよく言われますが、逆に聞いてみます。
「運動の経験は?」
ほとんど運動してない方か、ずっと昔にやっていてココ数十年やっていない。そんな方が腰痛を患って治療院にやってきます。
こんな方が、やるべきは非日常の、やったことの無い運動(スポーツ)を新しく始めることではありません。運動をしたことが無い人やずっとしていない人が腰痛を解消するためにやるべきことをまとめてみました。
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腰痛の原因は、運動不足ではない。
運動はしたほうがいいですが、それは、
- 体力増進のため、
- 健康のため、
- 精神的ストレスをためないため
に行うべきだと私は思っています。
腰痛を改善するために、運動をしたことが無い人や、長い間運動をしていない人が、新しい運動(スポーツ)を始める(ココで言う運動は腰痛向けの体操とかエクササイズでは無いスポーツという意味です。)のは、逆に危険です。
すでに腰痛を持っていて、体の使い方を間違えば重症化してしまう可能性のある人がわざわざ危険を冒すことはありません。
そして、腰痛の原因が運動不足ならば運動をするべきでしょうが、運動不足が腰痛の原因になっているわけではないですから、運動を普段しているしていないということが腰痛持ちか、そうでないかを決めているわけで無いということを知るべきです。
腰痛の原因は、骨盤の動きの悪さ、腰周辺の筋肉の硬さです。
【関連記事】腰痛の原因は筋肉の硬さ!コレを知らずして改善は出来ない
腰痛患者がやるべきこと
毎日毎日デスクワークで座りっぱなし。腰が固まってしまっている。
- 立ち上がるときに、腰が伸びない
- 腰が硬くて曲がらない
- ずっと座っていると腰が痛くなる
- 朝起き上がるときが怖い
- 顔を洗うのが怖い
- 中腰になるのがつらい
こんな状態の人が、運動すれば、腰が壊れるのも時間の問題です。
私が言う運動するべきではないというのは、エクササイズ(レクリエーション)という意味での運動はしないほうがよいという意味です。
もちろん腰痛の原因を解消するためのものはOKです。なぜここで、「運動」ということに気をつけるべきだというのかというと、腰痛持ちの患者さん自身が、勘違いをしている方が多いからです。
「なんか運動を始めたほうがいいですか?」といって
- 野球
- サッカー
- ゴルフ
- バレーボール
- テニス
- ランニング
- トレーニングジム
などを例に挙げるからです。今までの経験からなのでしょうが、筋肉が固い状態でこれらの運動をすることは、怪我をする可能性が高まります。筋肉は柔軟性があるから、早い動きや筋力を必要とする動きに対応できます。カチカチの腰では、バットスイング一発でぎっくり腰になる可能性もあります。
こういった意味で、まずは、力を使わない動きからはじめていくべきです。
筋肉の柔軟性を高めていくためのコンディショニングに力を入れるべきです。
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腰痛持ちが筋肉の柔軟性を高めるためにするべきことは?
筋肉の血行障害が、筋肉を硬くしています。
筋肉は持続的な緊張をしていると固まります。固まることで痛みを発してきますので、硬くならない環境づくりをしていきながら、筋肉を緩めるケアをしていきます。
腰痛の原因の筋肉の硬さを和らげる環境づくり
- 長時間のデスクワークは、腰肩の筋肉を硬くするので1時間に1回関節を動かし(腰回し、肩回し)筋肉を刺激する。
- デスクワークの際の姿勢は前かがみにならないようにする。パソコン作業時に出来ればモニターの位置を高めに設定する。
- 荷物を持つ時は、左右交互に持つ。
- 中腰での作業を控える。中腰の作業をする際は膝を曲げて背中はまっすぐにする。
- 立っている時は、片足だけ(決まった側だけ)に重心をかけない。
- 風呂の時間は湯船につかる。
- 寝るときは柔らかすぎるベッドや布団を避ける。
- 硬すぎるベッドや布団を避ける。
- 合う向けうつ伏せは腰への負担が増えるので横向きが望ましい。
- 朝起きていきなりガバッと起きない。布団の中で、両膝を曲げ左右に倒す動作を繰り返しウォーミングアップをしてから動き出す。
- 立ち上がるときは、一度横向きになってから、手を使って座る姿勢を作る。それから立ち上がる。
- 下にあるものをとるときは、屈んで取らないで、膝を曲げてしゃがんで足を使って取る。
ここに、腰に負担の少ない動きをまとめました。
「こんな事をいちいちやるのは面倒だ」と多くの方は思いがちです。これらの動作は、腰の痛みが強い時は痛みから逃れるために自然にやっていることが多い動作です。
腰に負担の少ない動作なんですね。痛いときはやるんですが、痛みが引くと辞めてしまう。辞めてしまえば、腰に負担を掛け続けて蓄積していくので、腰痛の(筋肉が硬くなる)要素を取り除くことができません。
しかし、ココに上げた動作に気をつけていくだけで、こういったことの積み重ねで腰への負担を減らして腰痛を起こしにくい環境を整える事が出来ます。
寝方でも腰痛は変わります。
【関連記事】腰痛は寝方だけでも改善する!腰痛を寝方で治す為のポイント
やればいいんですよね。
これらは、腰痛になりにくい環境を整えるためのものです。
次に、腰痛を改善するためにやるべきことをお伝えします。
腰痛の痛みの種類別に行う改善方法。
腰を伸ばす(反らす)ことが出来ない場合
この場合は、体の前側の筋肉が硬くなっていて後ろにそらすことが出来ません。ですから、前側の筋肉を重点的に緩めていく。この考え方でストレッチする筋肉種目を選びます。
- ももの前側を伸ばす
- 大腰筋(背骨を前側で支えているインナーマッスル)を伸ばす
- 腹筋を伸ばす
【関連記事】腰痛で腰が伸びない!長く座ると腰が痛い!立てない!そんな腰痛の原因と対処法
※ ↑ 腰痛に関係する筋肉の場所も詳しくまとめてあります。
腰を曲げる(前かがみ)ことが出来ない場合
前に曲げることが出来ない場合は、後ろ側()背中側の筋肉が硬くて伸びないから前に曲げることができません。
とはいえ、腰の筋肉自体を前に曲げて伸ばすのは腰痛を悪化させる原因にもなります。
腰の筋肉は、上半身を横に倒して片側ずつ伸ばします。その上で、次の部分のストレッチを意識してください。
- 臀部の筋肉
- 太ももの裏側の筋肉
- 腰の筋肉(脊柱起立筋=横に倒して片側ずつ伸ばす)
これらを伸ばすと前に倒すのがスムーズになります。
腰痛の原因である筋肉の硬さを引き起こしている歪みを取る方法
筋肉が硬くなるのは
- 疲労、
- 冷え、
- そして骨格の歪み。
この3、の骨格のゆがみをとって筋肉を緩める方法を紹介します。歪みを取るといっても簡単なもので、自分で骨盤を調整することが出来るシンプルなものです。
【関連記事】妊婦の腰痛対策。プロが教える緊張と歪みを取る2つのエクササイズ
この記事では妊婦という事で書いていますが、一般的な腰痛持ちの方も同じ対策です。
1、2、に有効な対策は
- 温める
- 伸ばす(ストレッチ)
- 強度の低い繰り返しの関節運動(体操=関節の曲げ伸ばし。肩を回す、首を回す、腰を回す、膝の曲げ伸ばし、肘・肩の曲げ伸ばしなど・・。)
- ハリ
- 電気治療
- マッサージ
これらすべて有効です。有効ですが、硬くしている根本の原因が骨格の歪みによる筋肉の引きつれであれば、筋肉を引っ張っている骨格を正しい位置に戻してあげる必要もあるということです。
そのシンプルな方法がコチラです。
【関連記事】妊婦の腰痛対策。プロが教える緊張と歪みを取る2つのエクササイズ
まとめ
腰痛改善のために運動は慎重に見極めていくべきです。ガッチガチの腰痛持ちの方が、運動を始めるのはある意味怖いです。「やらなければ」という気持ちになることは素晴らしいですが、その気持ちを少し抑えて、まず、体を整えるプランから始まり、やりたい運動をするのに耐えうる柔軟性を獲得してから始めていくのが長期的に健康のために運動を楽しんでいくために必要なことです。
「運動不足だと思って、久々に走ったら腰を痛めた」
こう言って、私達のところへ来る方が多いので間違いありません。
まずは、運動(トレーニング)よりもコンディショニングという事を念頭に置いて、腰痛から抜け出す環境づくりをはじめてください。
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