口内炎とは?
病気になった時、抵抗力が落ちている時、熱がある時など、いつもより体調が悪い時に口の中が腫れたり、出血したり、食事中に誤って口の中や舌を噛んでしまい、その部分が炎症を起こしてしまうということがよくありますよね。これを総じて「口内炎」と呼ぶことはご存知でしょうか。
口内炎と聞くと、口の粘膜の一部が白くくぼみ、周りが赤くなる…そういう炎症を思い浮かべる方が多いかもしれませんね。これを「アフタ性口内炎」と呼びますが、もっとも多く見られる口内炎の種類の一つで、通常は口内炎と言うと、この炎症のことを指します。
口の中に炎症が起きると、食べ物を口に入れることが億劫になり、楽しい食事が苦痛なものに変わってしまったり、腫れるので何度も噛んでしまい、余計に酷くなるというストレスが伴ってきますよね。ここでは、口の粘膜に炎症が出来てしまう原因や予防策、できてしまっても早く治す方法などをご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
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口内炎の種類
まずは種類を知っておくと良いでしょう。先ほども書いたように、一般的なのが「アフタ性口内炎」です。
他に、
- 「カタル性」
- 「ウィルス性」
- 「カンジダ性」
- 「アレルギー性」
- 「ニコチン性」
大きく分けても6種類ほどあります。
「カタル性」とは、赤く腫れたり、白く濁ったり、広い範囲で炎症が起きてしまい、じんじんと痛みがある口内炎です。
「ウィルス性」は、ヘルペスによって口内炎ができてしまうという病気です。ウィルス性の口内炎は子どもにできてしまうことがほとんどなので、大人の病気というよりも子ども特有の病気という認識です。
「カンジダ性」は、菌であるカンジダが原因で炎症を起こしてしまうというものです。白いカスのようなものがつくので症状としてはわかりやすいです。
「アレルギー性」とは、その名の通り、アレルギーがあるものを食べてしまった時などに現れるもので、「ニコチン性」は喫煙が原因で赤く固い炎症ができてしまうというものです。
口内炎の原因
それぞれの口内炎の種類によって原因は異なりますが、炎症を防ぐにはまず原因を知る必要があります。よく見られる「アフタ性」は、ストレスや睡眠不足、栄養不足や口の中に衛生状態の悪さなどが原因です。「カタル性」も、口の中の衛生状態の悪さや、入れ歯などの装具から受ける粘膜への刺激などが原因に挙げられます。
「ウィルス性」になるのは先ほども書いたように単純ヘルペスウィルスが原因です。これは大人の多くは感染しているものなので発症頻度は少ないのですが、先ほども書いたように子どもが感染するとできやすいと言われています。実際に赤ちゃんから子どもにかけての発症率がもっとも高い口内炎です。
「カンジダ性」も「ウィルス性」と似ていて、カンジダ菌が原因で炎症を起こしてしまうのですが、この菌を持っている人は多いのです。体が弱くなった時に発症しやすいので、持病がある方や、体調が悪い時に口内炎が出来てしまいます。
「アレルギー性」「ニコチン性」は「アレルギー」と「ニコチン」が原因の口内炎だとはっきりしています。
アフタ性口内炎の予防と対策1
原因がわかったら、次は口内炎を防ぐ方法をご説明していきます。まず「アフタ性口内炎」ですが、体調などの自己管理を徹底することをお勧めします。「アフタ性口内炎」の原因は多いのですが、比較的頻繁にできてしまうこと、口内炎が出来てしまっても、時間が経てば自然治癒するため、病院に行くことが少ないことから、あまり対策を取らなくても済むと考えている方が多いようです。
しかし、やはり体調が悪い時はできやすくなりますし、睡眠不足や歯磨きをしないなど不衛生な生活が続くことが口の粘膜に良いとは言えません。そもそも、普段通りに生活しているのにできやすいという人は少なくないため、意識をして予防するように努めた方がいいでしょう。
自己管理を徹底するというのは、「無理をしない」ということにも繋がります。
ストレスなどが原因だと言われている「アフタ性口内炎」は、睡眠をたっぷりと取り、疲れたら休むことを意識して、口の中を清潔に保つことが予防方法の一つです。
アフタ性口内炎の予防と対策2
他に、「アフタ性口内炎」はビタミンや鉄分不足が原因とも言われますので、ビタミンと鉄分が豊富な食べ物を摂取するといいでしょう。ビタミンの中でも、特にビタミンB2が口内炎に効くとされています。
ビタミンB2が多い食べ物
- レバー、ハツなどの牛豚鶏の内臓、
- 納豆などの大豆製品、
- うに、すじこなどの魚介類の卵、
- 鶏卵、
- うなぎやいわし、
- 干ししいたけやまいたけ、
- 海苔
などがお勧めです。ビタミンB2は口内炎だけでなく、皮膚や口以外の粘膜など炎症にも効果的です。鉄分が多い食べ物は、豚肉や鶏肉のレバー、乾燥青のり、乾燥ひじき、煮干し、乾燥大豆、ごまや松の実類、乾燥きくらげ、あさりや干しエビ、オートミールなどです。食事のたびに少しずつでも多く摂取するようにしてください。
他に、アフタ性口内炎の治療にはハチミツが効くとも言われていますが、これは予防にも効果があると言われています。ハチミツはビタミンが豊富なだけでなく、殺菌効果があるので、口の中を消毒してくれるとのことです。
カタル性口内炎の予防と対策
「カタル性口内炎」の予防方法ですが、まずは口の中を清潔に保つことです。
食事のたびに歯磨きをしたり、うがいなども効果的です。他には、入れ歯などの装具によって傷が付くことが原因の一つですので、装具などをつけている方は乱暴にせず、丁寧に装着してください。装着していて口内炎がなかなか治らないという方は、ご自分の口に合っていないかもしれませんので、再度診察を受けてみてください。
そして、口の中が刺激に弱いと自覚している方は歯ブラシなども自分に合ったものを選びましょう。粘膜が弱いのに、かたい歯ブラシを使っていたりはしませんか?何度も磨くことを考えたら、柔らかい歯ブラシに替えたり、不快感や違和感がない歯ブラシを見つけることもいいでしょう。
それでも汚れが気になる方は、歯科で歯磨きの指導を受けることもお勧めします。同時に歯垢除去などをしてもらうと、口の中が清潔になります。虫歯がある方も、口内炎を発症しやすいので早めに歯科に行き、治療をしてもらってください。
ウィルス性口内炎の予防と対策
「ウィルス性口内炎」に多いのは子どもですが、主な感染経路は母親だと言われています。
子どもが小さいうちにキスをしたり、母親が使用したスプーンなどで食べ物をあげたりと、大人の唾液が子どもの口の中に入ってしまうとウィルス性口内炎ができやすくなってしまいます。口移しで食べ物をあげるのを避けたり、口を拭くおしぼりやタオル、ハンカチなどの使い回しをしないように気をつけてください。
大人が「ウィルス性口内炎」になってしまうことももちろんあります。
単純ヘルペスウィルスは既に持っている方がほとんどだとは書きましたが、発症するかしないかは体調によって変わってくるのです。風邪や病気などで抵抗力が落ちてしまったら口内炎ができやすくなってしまうので、なるべく風邪を引かないようにマスクをしたり、人混みを避けたりすることが良いでしょう。注意していても避けられないこともあるでしょうから、他の人と接する時間が多かったり、病気の人と会ったりした時は、うがいや手洗いといった基本的なことで病気の予防対策をしてください。
カンジダ性口内炎の予防と対策
「カンジダ性口内炎」は既に他の病気にかかっている人がなりやすいので、その病気を治すことや、完治はしなくても改善させるようにすることが予防の第一歩です。やはり「カンジダ性口内炎」も、体調が悪かったり、体の免疫力が下がっている時に発症しやすいので、体調管理をしっかりとすることが大切です。持病がある方も、体調に波があるかもしれませんが、なるべく良い状態を保てるように生活してください。
免疫力が低下している妊婦や高齢者、幼い子どももかかってしまうことがあります。上記に当てはまる方や、持病があることが原因で、カンジダ性口内炎が出来てしまっても、体調が改善されると治ることがほとんどです。少しでも具合が悪いと感じたら無理をせずに休憩したり、睡眠を取ったり、体に良い食事を摂ると良いでしょう。
カンジダ性口内炎は慢性化しやすいため、一度出来た口内炎が完治しても、慢性化を防ぐために健康管理やバランスの良い食生活を継続していく必要があります。
口内炎の治療方法1
口内炎ができてしまったら、痛みを生じることが多いので早く治したいですよね。治療方法はいくつかありますから、自分に合う方法を試してみてください。
まず、専用の薬を塗る治療方法です。これは病院に行かなくても市販の薬で効果があります。薬を塗ることで口内炎に菌や汚れなどをつけることを防ぎ、かつ薬の効力で早く治るのです。薬は最寄りの薬局に行くと、口内炎用のものが置いてありますからそちらを選んでください。
クリームタイプのものが主流ですが、貼り薬もあります。クリームタイプは口の中で流されてしまうということもありますので、貼り薬の方が密着度は高いです。一般的なアフタ性口内炎ではこの治療方法がもっとも早く完治させるやり方です。
ただ、アレルギー性やニコチン性の口内炎は、アレルギーがあるものを摂取しない、煙草を減らすか禁煙をすることで口内炎をなくすことができるので、薬を塗りながら並行して対策を勧めていくと良いでしょう。
口内炎の治療方法2
続いてビタミンや鉄分不足を補うためにサプリメントや栄養ドリンクなどを摂取する治療方法です。食べ物から直接摂取してもいいのですが、食事をするのが辛いという場合はサプリメントやドリンクの方が飲みやすいのでお勧めです。
また、こまめにうがいや歯磨きをすることも口の中の菌を減らすのに効果的です。汚れが原因の場合の口内炎は、この方法で早く改善することがあります。市販の薬やサプリメントでのビタミン、鉄分を摂取してもなかなか治らなかったり、どんどん酷くなるという場合は必ず病院に行って下さい。
病院は歯科、口腔外科、そして耳鼻咽喉科を選びます。
口内炎をすぐに治したいという場合は、病院でレーザー治療を行うのも一般的です。
痛みも少ない上に、薬と違って副作用がないため手軽に治療をすることができます。
通常、口内炎が自然治癒するのに1週間以上の時間がかかりますが、レーザー治療だと数日で治ります。
頻繁に口内炎ができてしまう、それもなかなか治らない…と不安がある方は、病院で検査をしてもらうことをお勧めします。
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